彼女ちゃんの「女の道は一本道でございます」ブログ

このブログを読むと万病がウソのように治ります。

作家

今日はエッセイ的なものをかく。

 

 

 

私の日課は本屋パトロール

 

本屋さんにいくのが好き。

 

生活圏内には本屋さんと図書館が欲しい。

 

本は私が無知であることを

 

これでもかと言うくらいに教えてくれて、

 

日々チヤホヤされて傲慢になりそうな私に

 

謙虚さを思い出させてくれる。

 

 

先日いつものように本屋の文庫コーナーをあてもなく眺めて居たら

 

 

一冊の本が目に入った。

 

 

「自転しながら公転する」

 

という本。

 

まず、裏の解説を読む。

 

32歳の女性が主人公。

 

恋愛、結婚、キャリアに悩みながらも

 

心が優しくなるストーリーらしい。

 

 

私に近い年齢。

 

興味が湧いた。

 

 

 

次に、作者紹介を見る。

 

山本文緒

1962-2021

OL生活を経て1999年「恋愛中毒」で新人賞受賞。

 

 

少し前に亡くなった作家さんのようだ。

 

2年前といえば、コロナ禍だ。

 

この本を書いた作家さんは、コロナ禍に亡くなった。

 

今よりも2歳若い

 

2年前の自分を思い出してみた。

 

私の仕事はコロナでも変わらず忙しく

 

今となんら変わらない生活だった。

 

 

あ、違う。

 

遠距離恋愛してた彼氏と別れた頃だ。

 

コロナ禍でも黙って頑張って会っていたけど、

 

会うたびに、社会への後ろめたさがあった。

 

ただ一緒にいたかっただけなのに

 

ものすごく大変だった。

 

コロナ禍、それも遠距離恋愛

 

さらに、かなりの年の差があった。

 

約2年間、わたしはよく頑張ったと思う。

 

彼とは最初から問題だらけだった。

 

年の差もあった。

 

バツイチで娘もいた。

 

元妻にはお金を無心されていた。

 

元妻側の離婚の条件として

娘の親権を譲り

養育費を払っているのに

 

元妻は実家に逃げ帰り

娘は未成年なのに一人暮らし状態になって居た。

 

だから、親権もないのに彼は娘の面倒を見ていた。

 

そして、距離も遠かった。

 

なのに、彼は私に「君と再婚したい。まずは気軽に付き合ってみないか。」と提案した。

 

当時の私は、恋愛のことがひとつもわかって居なかった。

 

こうやって人って結婚するんだな〜と思った。

 

結果的に、大間違いだったんだけど笑

 

 

 

結局彼とは別れたんだけど、

私が別れを決意した理由は些細なことだった。

 

 

ひとつは、店員への態度が非常に悪かったこと。

 

これは付き合って1年ほどで発覚した。

 

2週に1度しか会えなかったから

 

露呈するのに時間がかかったのだ。

 

(付き合ってしばらく、相手の人間性を理解するまでは会う回数と合計時間は本当に重要だと思う)

 

 

アルバイトの女の子に顔を真っ赤にして怒鳴った。

 

混雑していて、メニューも品切れだらけで

ホールに1人しかいなくて

怒りたい気持ちもわからなくもないけど

 

私にはそれが、チャンスだ!と日頃の鬱憤晴しに八つ当たりしてるように見えた。

 

 

もう一つあった。

 

彼は私の誕生日にAmazonで3000円くらいの妙な花の置物を送ってきた。

 

花束を送るには時間が足りなくて、

翌日配送のものをチョイスしたらしい。

 

ラッピングもなく、Amazonの箱で届いた。

 

「(かなり年上の男性と付き合っているのにこれか...)」と涙が出た。

 

彼の年収は1500万円を超えているはず。

 

なのに、好きなはず、結婚したいはずの女性へのプレゼントがAmazon即日配達の3000円の置物(ラッピング無し)笑

 

メッセージすらなかった。

 

あまりにも酷い。笑

 

 

「プレゼントは気持ち」という言葉はよく聞くが

これでは気持ちがまるで伝わらないどころか

気持ちがないことを示されているかのようだ。

 

 

「申し訳ないけど嬉しくない。」と伝えたら、

「俺だってクリスマスにもらったスキンケアセット、あんなもん嬉しくないし要らないよ!」と怒鳴られた。シュン。あれ1万円くらいするのにな。

 

 

男性から欲しいものをもらうのには「予約」がいります。プロポーズも「予約」が要ります。

男性は失敗したくないのです。

 

 

男性からプレゼントで送ってもらいたいものは「わかりやすく」「はっきりと」伝えるべきです。

 

 

欲しいものをもらった女性は、さもサプライズかのように女同士で報告しますが、あれはほぼ確実に、「これが欲しい」と予約してあります。

 

 

脱線しましたが、

 

 

 

その2件以来、彼のことが無理だった。

というか本当は最初から無理だった。

 

最初の食事の際に「俺んちにくる?」としつこく誘われ、タクシーで帰ろうとしてるのに、タクシー代も差し出してくれず、雪でタクシーが大行列で、「何もしないし、布団も部屋も別だから、安心しておいで。」と家に招かれた。

 

でも、案の定、夜中に布団に入ってきて、「家に来たってことはOKって意味なんだよ。」と体を触ってきた。気持ちが悪くて涙が出た。

 

最初から無理だったけど、全部が全部悪い人じゃないし、いろんなことを教えてくれるし、愛してくれてる感じもしたし、遠距離だったし、なんとか続いたんだけど、

 

「このマンション買おうと思うんだ?どう?」と内見に連れて行かれて目が覚めた。

 

「ここが私の未来なの?」

 

ここで彼と暮らして、

もしかしたら子供が産まれて、

彼は当然私より先に死んで、

リノベーションはされてるけど

古いマンションと子供と私が残されて

私、幸せになれない。

 

それから私は全速力で逃げた。

 

2021年

この本の作家さんが亡くなったころ

私はそんな不毛な日々を送っていた。

 

 

作家の言葉は、本の中で生き続ける。

すでに亡くなった作家の本を読むと

いつも思う。

 

本は亡くなった方がいる世界とも繋がっているように感じる時がある。

 

タイムカプセルみたいだなとも思う。

 

 

 

1999年 37歳で新人賞を受賞した作者。

彼女が私の歳の頃も、小説を書いていたのだろうか。

 

 

たったの作者紹介なのに、いろんなことを思い出してしまった。

 

彼にはやっぱり、会いたくない。

 

でも彼はいつも私に「君は特別頭がいい女性だよ。やりたいことをやり切るべきだよ。生涯続けるべきだよ。」そう言ってくれた。

 

わたしは、かつて私を好きだった男性たちの、私を認めてくれる言動で少しずつ自信を得たんだと思う。

 

終わっていった恋たち。ありがとう。