彼女ちゃんの「女の道は一本道でございます」ブログ

このブログを読むと万病がウソのように治ります。

女子高生だったころ、髪の綺麗なお姉さんが私にくれた言葉

 

 

十数年前、私にも女子高生だった頃があった。

 

高校では、あまり友達は出来なかった。

 

私の出身は田舎で、自分の偏差値よりも20以上低い一応進学校に通うしかなかった。

学校の選択肢がなかったのだ。

 

そんな低いモチベーションで入学したから、同級生と話してもいないのに、話が合うわけないと決めつけていた。だから話しかけられにくかったのかもしれない。(授業は本当につまらなかった笑)

 

そんな私を心配してかどうか不明だが、顧問に無理矢理入れられたバドミントン部では最終的には主将になった。

 

可愛い子の多いバドミントン部で主将だったので、そのおかげで、酷くいじめられずに済んだのかもしれない。友達と呼べる部活仲間はいた。

 

日曜の部活帰りにファミレスでかき氷を食べたり、神社で恋みくじをひいてキャーキャー言ったり(私以外が)、それなりに青春って感じのこともしていた。

 

だけど、いつも心ここに在らずな感覚があった。

 

なんだかわからないけど、どこか物足りなくて、もっと楽しい生活があるんじゃないか、もっと合ってる場所があるんじゃないか、四六時中そんなことを考えていたような記憶がある。

 

教室では人と話さず、窓際で雲や空や遠くの海を眺めながら、本を読んだり、音楽を聴いたりして過ごしていた。

 

だから、私の高校時代の記憶のほとんどは、窓越しに見上げた雲や空、遠くでキラキラ輝いている海、そんなものばかりだ。

 

 

 

本当はガリガリ勉強がしたかったけど、どうやってしたらいいのかがわからなかった。だってほとんどの子が勉強を頑張ってない。勉強してる子は、可愛くなくて、しかめっつらで、でも負けん気の強い、気難しい子たちだった。対抗されたくないし。

 

それに、当時はまだテストの結果が張り出される時代で、少し成績が良いと、「女使って点数上げてもらってる」と噂を立てられたし、「◯◯ちゃんもまぐれでこんなこともあるんだね。」とか見下されたり笑

 

うちの親はPTAや保護者会にも全く参加しないもんだから、親と先生とのパイプもできず、そのせいか、職員たちの私の扱いは雑だった。成績が良くても、能力別クラスでは下位クラスに入れられた。理由はわからなかったけど、おそらく保護者の力ではないかと今はわかる。

 

担任にもよく怒られた。まず、担任の授業が嫌いだった。半分くらいは、朝礼も終礼も出なかった。すると余計怒られた。でも困ったことはない。だって担任は大したこと話さないって知ってたから笑

 

高校1年はボブヘアーだったので少しモテたくらい。高校2年以降はロングヘアのおかげか、かなりモテた。学年で1番カッコいい男子も私のことが好きだったらしい。熱烈な同級生も先輩もいた。アプローチが熱烈すぎて、私はかなり疲弊していた。精神疾患の手前だったかもしれない。追いかけられるのも楽じゃない。

 

そんな感じの高校生活が辛くて、私は街に大人の友達を作るようになった。

 

同級生は、プリクラを撮っている。誕生日プレゼント交換をしている。サーティーワンを食べている。

 

そんな中、私は喫茶店でコーヒーを飲んだり、一丁前にコーヒー豆を買いに行ったり、音楽スタジオに通ってギターの練習をしたり。(実はギターとベースが少し弾ける)

 

 

女子高生の頃、居場所を探すために通った街での出来事の中でも特に鮮明に覚えているのは、

 

重たいショートヘアの綺麗な黒髪に上品なパーマをかけたお姉さんが私にかけた言葉。

 

「このまま、ずーっっと傷つかないで、大人になってね。」

 

 

 

 

彼女はおそらく当時40歳くらいだったと思う。

カウンター数席だけの小さなコーヒー屋さんで出会った。

 

私は制服でコーヒーを飲んでいた。

女子高生が制服でいると、だいたいお店の人が話してかけてくれる。そしてお店の人が常連さんに紹介してくれる。

 

後から入店してきた彼女は、一目見て「美人だ」

とわかるほどの美人だった。

 

まさに大和撫子、と言った感じ。さっぱりした奥二重で、口角が上がっていて、肌はすべすべと艶があり、よく手入れされていた。

 

大きめのカールがかかった、柔らかくセットされた髪からは、美容室帰りらしい雰囲気が感じられた。

 

 

「女子高生?!ひとりで?!こんなところに?!」

 

だいたいこんな反応をされる。

 

お店の方が「◯◯高校の子。」

 

お姉さん「頭のいい高校だよね!わぁ〜可愛い子〜!」

 

店員さん「可愛いでしょ。それに面白いんだよ。」

 

お姉さん「ほんっと可愛いお嬢さん。お人形みたい。こんなに可愛くて純粋な女の子には、悪い男が寄ってきちゃうよ!自分のこと、大事に大事にしてね。」

 

私「ありがとうございます。笑 私今進路に悩んでて、どんな大人になりたいかとかイメージが湧かなくて...よかったら、アドバイスいただけませんか?」

 

 

お姉さん「そうね...何になるかとか、どれくらい稼ぐとかは、その高校だったら、心配ないと思うけど...」

 

「私はあなたに、このまま、そのまま、一度も傷つかないまま、大人になって欲しい。これから、あなたを傷つけるような人が居ないといいなって思う。可愛くて、心が綺麗で、人を信じられる大人になって欲しい。」

 

 

たった一回、少しの時間しか会ってないお姉さんの、その時のその言葉が忘れられない。

 

少しの時間に、お姉さんは、心からの言葉を私にくれた。力強い言葉だった。

 

お姉さんが美しかったから、印象強かったのかもしれない。美しさは威厳になる。
内面から美しい人の言葉には、説得力がある。

 

私はその時、嬉しい反面、内心「(もう傷ついているし、心も綺麗じゃないのに...なんだか騙してるみたいだな...)」と心苦しくもあった。

 

本当は窓際で1日が終わるのを耐えてるだけ、本当は明日が来るのが嫌、本当は友達が少ない、本当は周りの人間を馬鹿にしてる、先生のことも馬鹿にしてる、本当は心が綺麗じゃないのかもしれない。私は私が正しいと思うことを貫いてるけど、そのせいで、攻撃されたり、無視されたり、怒られたり。本当は悪い子なのかもしれない。でも私は、私の心は純粋だって思いたかった。

 

だから、お姉さんがくれた言葉が、あまりにも私の荒んだ日常と違って、私を認めてくれてるようで、嬉しかった。

 

今でも思い出すと、あたたかくて優しい気持ちになる。

 

きっと私の心に誰も大きな傷をつけられないのは

あの日のお姉さんの言葉があるからかもしれない。私は、私を傷つける人から離れられる。私の笑顔を消す人とは離れられる。

 

「このまま、ずーっと傷つかないで、大人になってね。」

 

私はお姉さんに顔を合わせられるような大人になれたのでしょうか。

 

今日はここで終わり。

 

おやすみなさい。